2015年09月14日
2015年9月14日のチーズ

個性的な煉瓦色のチーズ 焼くとやさしい味わいに
フランス ティエラッシュ地方 牛 ウォッシュ
生産地はベルギーとの国境近く、フランス北外れの町マロワル。
1000年以上の歴史を持ち、マロワルのあるティエラッシュ地方の修道院で作られたのが始まりでした。
地下の洞窟で熟成させていたことから、自然発生酵素によって表皮は薄いオレンジ色に。現在は衛生管理の行き届いた熟成室で、赤い酵素を添加して色付けがされています。
味わいは個性的で、濃厚なコクと強い香り、塩気があります。
マロワルと言えば、北フランスのお惣菜屋さんに並ぶ「タルト・フラミッシュ」が有名。
型にブリオッシュ生地かパイシートを引き、スライスしたマロワル、塩コショウした生クリームと牛乳と卵を流し入れます。220℃のオーブンで30分ほど焼いたら出来上がりです。
焼くことでマロワルはやさしい味わいに。ぜひお試しを。
フルボディの赤ワインかビールとご一緒にどうぞ。
ブルー・デ・コース
ミルク感たっぷり ロックフォールの牛乳版
フランス アヴェロン 牛 青カビ
牛乳版ロックフォールと呼ばれるブルー・デ・コース。
もともとロックフォールは色々な種類のミルクを混ぜて作られていましたが、1925年ロックフォールの法令により、羊乳のみで作ることが定められました。その時、製法はそのままに牛乳だけで作られたのがこのチーズです。石灰岩地域にある自然の洞窟の中で熟成させる、という独特の方法も同じ。洞窟内の低い温度と、高い湿度は、すきま風「フルリーヌ」が吹き抜けることによって、常に一定に保たれます。青カビにはパンから採取した「ペニシリウム・ロックフォルティ」を使うのも同じです。脂肪分は50%と高いので、青カビチーズのシャープさの中にも、甘みとまろやかさが感じられます。
熟成が進むにしたがって風味は増していきます。
力強い赤ワインや、甘口ワイン、ポルトとのマリアージュをぜひ楽しんで。
表皮の粘りは削ってお召し上がりください。
オリヴィエ・オ・ポワブルolivetpoivre
フランス 白カビ
カマンベールのような白カビチーズの上に黒胡椒がたっぷりまぶしてあります。
いい感じに熟成が進んでいるのですが、クセの少ないチーズなので、比較的食べやすいです。濃厚でクリーミーなチーズの味と、黒胡椒のピリッとした刺激がマッチしています。
胡椒がけっこう粗引きなので、辛いのが苦手な方は、落としてお召し上がり下さい。
ビールや、軽めの赤ワインに
ブリアサバラン
フランス フレッシュタイプ
フランスの有名な美食家の名前にちなんで命名されたという、この『ブリアサバラン』は、それほど長い歴史を持つ訳ではありませんが、今では世界中で名前が知られるようにまでなりました。まるで”甘みを控えたチーズケーキ”のような味わいがあり、幅広いファンを持つチーズです。牛乳に生クリームを加えた「トリプルクリーム」タイプですので、クリーミーでとってもリッチな味わい。脂肪分は75%と高めなのですが、ほどよい酸味と軽い塩気があるので、味わいは意外にあっさりとしていて爽やかに感じられます。ナイフで切り分ける時に、中からとろけだしてくるようななめらかさですので、パンに塗って召し上がるのも良いでしょう。コーヒーや紅茶とも合いますが、シャンパンやスパークリングワインとの相性はバツグンです。シャンパンの泡に、この『ブリアサバラン』がシュワシュワ〜ッと口の中でとろけていく味わいは、まさに究極の「マリアージュ」だといえるでしょう。リッチな味わいを持ちながら意外とさっぱりと食べられる、嬉しいチーズです。
マンチェゴ
スペイン ハード&セミハードタイプ
原材料 生めん羊乳、食塩、エキストラバージンオリーブオイル、卵白リゾチーム
スペインの代表的なチーズといえば、この『マンチェゴ』でしょう。マンチェゴ種という羊のミルクから作られる、スペインを代表する羊乳のハードチーズです。スペインの食べ物といえば、どちらかというと魚介類や生ハムなどを使ったものをイメージしやすいですが、ちゃんとおいしいチーズが作られています。しかもその産地はスペイン中央部のラ・マンチャ地方、かの「ドン・キホーテ」の物語の中でも“味の良いチーズ”として登場しているぐらいの一品なのです。
ちょっと固めの食感があり、その味は羊乳特有のねっとりとしたコクと甘みが感じられます。乾燥した広大な平原に放牧された羊の濃厚なミルクからは、野生のハーブや木の実の香りがほんのりと漂い、この濃厚で甘いミルクがチーズの豊かな風味にも影響しているのです。脂肪分もやや高めで、ミルクが凝縮した旨みを十分に感じとれることでしょう。またこうした特徴は赤ワインのお供にピッタリですので、ぜひご一緒にお楽しみください。

